bizdco

ブログblog

ものづくり補助金④

今回は、ものづくり補助金の導入事例や生産性をご紹介していきます。​
 
●ものづくり補助金を利用したITツールの導入事例

 

実際にものづくり補助金を利用したITツールの導入事例を紹介します。ものづくり補助金の成功事例の中心は工作機械が占めています。しかし、ITツールの導入事例も決して少なくありません。

 

●IoTを活用した生産性向上

社員数30名弱のある製造業では、半導体装置向け金属加工が全受注量の約4割を占めていましたが、リーマンショック以降急激な需要の減少に直面しました。その状況下で、同社の技術力に着目した画像診断装置メーカーから、高精度の複雑な部品の製造依頼が舞い込みます。成長市場への新規参入につながるとあって受注を検討しましたが、多段階の加工が必要となり、生産工程におけるボトルネックの発生が懸念されました。

 

これを解決するために生産管理システムを導入し、IoT技術を活用して負荷状況等を監視できる仕組み化が実現しました。結果、生産機械の稼働状況や加工情報、生産負荷をリアルタイムに監視できるようになります。多品種の生産進捗状況を把握できるようにもなりました。

 

●クラウド・カメラ・IT端末の活用による介護サービスの向上

社員数およそ30名のある介護事業者では、介護スタッフによるきめ細かな介護が好評でした。しかし夜間の介護施設の巡回や紙ベースでの介護記録等が、介護スタッフの負担になっていました。

これを解決するために介護施設にカメラを設置、介護スタッフと入居者の家族がリアルタイムで状況を確認できるようにしたのです。同時にクラウドを使用し、スタッフの介護記録デジタル化を実現しました。これにより、介護スタッフの生産性は劇的に向上したのです。

 

●業務のデジタル化による紙文書削減と生産性向上

社員数15名のある製造業者は、鋼材購入から切断・鍛造・熱処理・検査・配送までを社内で手掛ける一貫生産体制を強みとしていました。しかし、個別受注生産の見積作成を、熟練技能者の経験と勘に頼っていました。受発注記録や見積もりなどが紙で保管され、在庫は担当者が目視で確認する状況だったため、生産性は極めて悪かったようです。

これを改善するために、受注管理・工程管理・在庫管理の各システムの導入を決断します。現状の受注状況を見える化し、余力管理を実現させ、受注後の納期回答を正確に回答できるようになりました。見積作成納期や在庫管理の手間も削減させ、生産性や品質の向上を実現したのです。

 

 

 

●システム開発でものづくり補助金の採択を受けるポイント

ものづくり補助金を利用して、システムを開発・導入するためのポイントについて解説します。

 

・生産性向上につながるITツールを選ぶ

システム開発やツールの導入にものづくり補助金を活用したい場合、要件にある「革新的サービスの開発」に重点を置き申請するのがおすすめです。ただし数多くの申請から採択を受けるためには、システム開発により自社の体制や技術にどのような効果をもたらしたのかを明確に説明しなくてはなりません。通常のシステム導入と同様に、自社の課題の洗い出しと、課題解決につながるソリューションの明確化といったプロセスを踏むことで、生産性向上につながる理由の説得力が上がります。

 

●経営層を巻き込んだ申請書作成体制の確立

ものづくり補助金の申請書には、会社がおかれている経営状況を分析し、今後展開する事業内容にもとづき、「ITツールを活用した補助事業が必要になる」といったストーリーが必要です。財務分析も求められ、少なくとも2期分の決算書が必要になります。とても情報システム担当者だけで申請書作成を進められるものではありません。

外部の専門家に依頼する場合でも、経営状況のヒアリングなどは経営層に対し直接行う必要があります。ものづくり補助金は資金面の補助を通じて、経営層にこそ大きな恩恵を与えます。現場任せにせず、経営層が積極的に申請書作成に関わってください。

 

●自社の業務内容やパートナーとの関係性の洗い出し

前述のように、ものづくり補助金には革新性が強く求められます。自社が当たり前のように展開している事業内容や仕事の進め方のなかに、ほかの会社では模倣が難しい革新性が潜んでいることは少なくありません。ものづくり補助金の申請書作成をきっかけに、自社の事業内容を棚卸しして整理しておくとよいでしょう。

 

革新性の訴求方法は、自社が展開している事業の中だけに潜んでいるのではありません。提供している製品、協力関係にあるパートナー、導入しようとしているITツールなど、複数要素から多角的に分析する必要があります。申請書作成をスムーズに進めるためにも、事業の中に潜む革新性を洗い出しておきましょう。

 

●ポイントをおさえて申請を検討しよう

ものづくり補助金は、手厚い補助金が受けられるので、中小企業の生産性向上の強い味方になります。補助金を活用してITツールなどの導入を検討してみてはいかがでしょうか。申請書の作成は、専門家に相談するのがおすすめです。自社の生産性向上の一歩を、補助金の検討からすすめてみましょう。

bizdco運営部

バックナンバー